七つの呪い

カケルの家の電話は、今ではほとんどみかけることのない『黒電話』だった。


「ああ、これはね…」


困ってる俺に、カケルは使い方を教えてくれた。


ジリジリ…


「あっ、もしもしお母さん? 僕、今日トモダチの家に夕飯お呼ばれしたから帰りが遅くなるね」


「えっ? そうなの? どこの家?」


電話越しに母さんが言った。


「林の近くのカケル君って子の家だよ。じゃあ、ご飯冷めちゃうから切るね」


「えっ、ちょっと待って、その家…ガチャン


母さんは何か言いかけてたが、僕は途中で電話を切った。
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