【中完】彼女なんて辞めてやる。
「雪乃、ゴメンな」

ほんと、今更だね。

『何?集合場所、喫茶店じゃないの?』

付け加えれば、困ったように微笑まれた。

「久しぶりに、雪乃と帰りたくて。」

『よく言うよね。帰ろう、って誘う隙さえもくれなかったのはあんたじゃない。

ほかの女の子とばっかいたもんね。』

「うん、ごめん」

幸いにも、人は教室からだんだんと捌けて言って私たちだけになった。

まるで神様が早く決着つけろと言っているように思えるほどに。

『……この教室、冷房ついてるし。私から喫茶店でって言い出したてまえ、悪いとは思うけど、ここで話でもいい?』

「ああ。いいよ。」

浅岡 樹は二つ返事で頷いた。

『ねぇ。私たちって、まだ付き合ってるってことでいいの?』

どう切り込んでいいか分からなくて、根本的な問題から問うことにした。

これでNOと言われれば、今までぶつけたかったことは無になるのだから。

たけど、確信が何となくあるんだ。

こいつはきっと、

「俺は…、そのつもりだと思ってるけど…。

……雪乃は違うの?」

答えはYESをだす。浮気男は束縛が激しい傾向があるって、ネットで見た。
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