【中完】彼女なんて辞めてやる。
茉水……あの時、浅岡 樹が一緒にいた学年一とうたわれる美少女だ。

『いたね。』

「あいつ、俺の幼なじみなんだけどよ。瑠璃は俺と茉水をくっつけたかったみたいなんだよ。

まさかとは思うが、瑠璃が勝手に既読つけたとかじゃねぇよな…?」

『知らないけど。でも、最近受信した人からのメッセージって、上の方に並ばない?』

「俺、メールは使わないんだ。ほとんど。」

『そっか。』

「なぁ、俺がメッセージ見てないのに勝手に既読ついてた理由、気になるから瑠璃に聞いてきてぇんだけど。

話っつうの、明日でもいいか?」

本当か、嘘か。

どっちでもいいとは思うけれど、この目で確かめたい自分もいる。

『……いや、私も一緒に着いて行っていい?』

そう聞けば、

「おう。」

優しく微笑んだ、浅岡 樹。

久しぶりに、彼の笑顔を間近で見た気がした。
< 36 / 56 >

この作品をシェア

pagetop