【中完】彼女なんて辞めてやる。
浅岡 樹の家は学校から近いので、スグに着いた。

「ただいま」

玄関に入る浅岡 樹のあとを追うように私も入れば、ガチャンと音がして、トテテテテテと軽い音が廊下から響く。

「お兄ちゃん!おかえり!!」

「おわっ、」

飛びついてきた女の子を抱きとめる浅岡樹。

「ただいま、瑠璃。」

「おかえりなさい!お兄ちゃ……、誰?この女。」

確か、小四だと言っていたか。見た目は可愛らしいそこら辺に居るような小学生のはずなのに、さっきとの代わり方に差があった。

とくに、誰?この女の所は1オクターブ声が低くなったのではないかと言うくらいだ。

『小豆沢 雪乃。今日は、瑠璃ちゃん?に聞きたいことがあって来た。』

にこり、と笑って自己紹介をするも

「は?なに?なんなの?」

受け付けてもらえない。怖いな。

「ほら、瑠璃、そんなふてぶてしい態度とるなって。

いつまでも玄関に居るのもあれだし、リビング行くぞ。」

そう言って瑠璃ちゃんの頭を撫で、私の背中を押す。

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