【中完】彼女なんて辞めてやる。
「……、なんのこと?お兄ちゃん。」

あくまでもしらばっくれるような素振りを見せた瑠璃ちゃんに、珍しく浅岡 樹が語尾を荒くした。

「確か、雪乃からメールが来た時、瑠璃が確認したよなぁ?ただの、広告だって。

だけど本当は、その日は雪乃からのメールだったんじゃねぇのか?

俺は既読付けてねぇし、その日は瑠璃以外に俺のスマホは触らせてねぇ。

となると、瑠璃以外に考えられないだろう。

なぁ、お前は何がしたいんだよ。瑠璃。」

そこまで浅岡 樹が考えていたというのは、少し意外だった。

……何がしたいのか。

わかっているだろうに、本人の口から聞きたいのだろうか。浅岡 樹の瞳は依然と、瑠璃ちゃんを見つめている。

「そうだよ、私がやったよ?」

小説の悪役も顔負けだろうというくらいの悪い笑顔で笑う瑠璃ちゃん。

その様子に、少し浅岡 樹も戸惑っていた。
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