【中完】彼女なんて辞めてやる。
『お兄ちゃんの幸せ、お兄ちゃんの幸せ繰り返して言ってるけどな、あんたのそれは自己中に過ぎないんだよ。
あんたが言ってるのは、お兄ちゃんの幸せじゃなくて自分の理想を押し付けているだけだ。
樹と茉水が幸せになるべきだっていう持論を持ってそれを人に押し付けて。巻き込んで。それで樹が本当に幸せになれると思ってるの?違うでしょ。
樹の幸せを心の底から願っているのならば、お兄ちゃんとお兄ちゃんが本当に好きな人が結ばれて喜ぶんじゃないの?』
捲し立てるように、責めるように、年下に説教をしてしまった。
大人げなかったとしても、こちらだって散々馬鹿にされていたのだからいいだろう。私はあくまでも事実しか述べていない。
見たから。苦しそうに、悲しそうに、それでも瑠璃ちゃんと向き合おうとする浅岡 樹を。
さっき、隣で見たから。
「あたしが言ってたのは、押し付けだったの?」
まだ少し納得していない様な瑠璃ちゃんが、怒りではなく少しの後悔を滲ませたような声で呟く。
あんたが言ってるのは、お兄ちゃんの幸せじゃなくて自分の理想を押し付けているだけだ。
樹と茉水が幸せになるべきだっていう持論を持ってそれを人に押し付けて。巻き込んで。それで樹が本当に幸せになれると思ってるの?違うでしょ。
樹の幸せを心の底から願っているのならば、お兄ちゃんとお兄ちゃんが本当に好きな人が結ばれて喜ぶんじゃないの?』
捲し立てるように、責めるように、年下に説教をしてしまった。
大人げなかったとしても、こちらだって散々馬鹿にされていたのだからいいだろう。私はあくまでも事実しか述べていない。
見たから。苦しそうに、悲しそうに、それでも瑠璃ちゃんと向き合おうとする浅岡 樹を。
さっき、隣で見たから。
「あたしが言ってたのは、押し付けだったの?」
まだ少し納得していない様な瑠璃ちゃんが、怒りではなく少しの後悔を滲ませたような声で呟く。