【中完】彼女なんて辞めてやる。
『じゃあね、瑠璃ちゃん。お兄ちゃんのことよろしくね。』
そう言って声をかけた後、返事を聞かずにドアを閉める。今さっきの話を聞いた後に別れる、というのは何となく胸を締め付けられる思いだがズルズルと続くよりはいいだろう、と自分を納得させる。
浅岡 樹が先に出て私が後に続く。靴を履き終わって玄関を出ると外では浅岡 樹が夕日を見ていた。
……黄昏ている?
私の方を振り返って、「帰ろうか。」という浅岡 樹に頷いた。
久しぶりだ。いつぶりだろうか。彼はデートの後に家まで送ってくれていた。今回も私は送って貰うの?別れるのに?
話すなら、今しかない。
背を向けて歩き出した浅岡 樹を呼ぶ。
『……、樹。』
なんて呼べばいいのか分からなくて、だけど結局は前に呼んでいた呼び方で呼んだ。
「どうした?雪乃。」
久しぶりに。本当に、久しぶりに、彼の顔をちゃんと見て名前を呼んだ。私の名前が呼ばれた。
『……別れよっか。』
「は?」
いきなりだけど、それ以外切り出す方法がわからなくて、私は、
……浅岡 樹の家の前で別れを切りだした。
そう言って声をかけた後、返事を聞かずにドアを閉める。今さっきの話を聞いた後に別れる、というのは何となく胸を締め付けられる思いだがズルズルと続くよりはいいだろう、と自分を納得させる。
浅岡 樹が先に出て私が後に続く。靴を履き終わって玄関を出ると外では浅岡 樹が夕日を見ていた。
……黄昏ている?
私の方を振り返って、「帰ろうか。」という浅岡 樹に頷いた。
久しぶりだ。いつぶりだろうか。彼はデートの後に家まで送ってくれていた。今回も私は送って貰うの?別れるのに?
話すなら、今しかない。
背を向けて歩き出した浅岡 樹を呼ぶ。
『……、樹。』
なんて呼べばいいのか分からなくて、だけど結局は前に呼んでいた呼び方で呼んだ。
「どうした?雪乃。」
久しぶりに。本当に、久しぶりに、彼の顔をちゃんと見て名前を呼んだ。私の名前が呼ばれた。
『……別れよっか。』
「は?」
いきなりだけど、それ以外切り出す方法がわからなくて、私は、
……浅岡 樹の家の前で別れを切りだした。