【中完】彼女なんて辞めてやる。
「え?今、なんて?」

信じられない、嘘だろ、とでもいいたげな顔をしている浅岡 樹。逆に聞くが、何故このまま付き合って行けると思ったのだろうか。私は、無理だ。

『疲れちゃったの。』

「疲れた……?」

『私、樹の彼女だったよね?』

「ああ。」

よかった。これで、いや?なんて言われたら私の心が折れるところだった。

『それなのに、前は毎日一緒に帰っていたのに。この頃、ほかの女と帰るようになったよね?』

「…ああ、」

私から目線をそらす。

『女が誘って、あんたが許可を出して。その度に私は、優越感にひたったような目を向けられる。それが、とてつもなく疲れたの。』

「俺は!ただ、雪乃に妬いて欲しくて。」


はーい、来たァァァっ!!定番あるある、ヤキモチやいてほしくて。

やくわけねぇだろ。ばぁぁぁぁか!!!!

なんて言ってやりたい気持ちは押し込めて。

『私はさ、苦しかったよ。』

「苦しかった?」

キョトンとした顔つきをするこの男にイラつきが募る。

『うん、苦しくて悲しかった。

急に樹は何も言わずにほかの女の子たちと帰り始めて、休み時間も毎回一緒で。

周りの人達に別れたの?なんて聞かれること、どれくらいあったと思う?周りの人達なら別になんとも思わなかった。

だけどずっとそばにいた胡桃や日向にさえも、本当に2人は付き合ってるの?って言われた時にはもう、無理だと思った。』

そこで一旦区切って、浅岡 樹を見る。
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