禁断の恋だって分かっていても好き。
ち、近い。



顔が赤くなるのが自分でも分かる。



『は、箸と取り皿取ってくる!』



誤魔化すように立ち上がってキッチンに行く。



自分の冷たい手を頬に当てて熱を覚ます。



「伸びちゃうよ!」



『今行く!』



箸と取り皿を持って、お兄ちゃんの隣に座って蕎麦を分けてもらう。



「これで一緒に、年、越えられる。はい。」



渡された器を取ろうとした時に少しだけ、指が触れた。



『あっ。ありがとう。』



普段、触れることもないからいつも以上にドキッとした。
それと同時に、もっと触れたいと思った。



ズルズルと2人で蕎麦を啜って黙々と食べていく。



『ねぇ、お兄ちゃん。』



「ん?」



『もし、兄妹同士が付き合ってたりしたらどうする?』



ドキン ドキン と胸がうるさい。



「ん〜別にいいんじゃない?好きなんだろ、兄妹でも、なんでも。」
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