おはようからおやすみを笑顔で。

中学校に進学すると、ようやく斉野くんから離れて平和な日常が送れる……

と思っていたのに、まさかの中学校でも同じクラスだった。

しかも中学生になると、元々カッコ良かった斉野君は更にイケメンさを増し、クラスの女子からだけではなく、学年中、いや先輩達までもが斉野君に注目していた。

斉野君の意地悪は小学生の時ほどではなくなったけれど、それでもたまにちょっかいを出されることはあり、このままでは今度は学校中の女子達からもいじめられてしまう! という恐怖を抱いていた。


事件が起きたのは、中一の九月十二日。
何で日付まで覚えているかというと、この日は私の十三歳の誕生日だったからだ。

突然、斉野君から裏庭に呼び出されたのだ。
何をされるんだろう……とびくびくしながら、放課後の指定された時間に彼の元へと向かった。
ちなみに、いつまでも彼に怯えていたくはなかったものの、裏庭でカツアゲされてもいいように財布をきちんと持っていった。


しかし、そこで対面した彼に言われたのは、想像していなかった言葉。


ーー『好きだから付き合ってほしいんだけど』


その言葉を聞いて、私はーー



『もう、いい加減にして!』



と、キレた。
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