おはようからおやすみを笑顔で。
その言葉を聞いて、心臓が激しく脈打つのを感じる。

あの斉野くんが、こんなにも情熱的な言葉を伝えてくれるなんて……。


ううん。
伝える言葉が違っただけで、きっと昔から同じくらいに私のことを想ってくれていたんだ。



……嬉しいな。

彼のことは苦手だったはずなのに、今は彼の私への気持ちや言葉が、全て嬉しい。



「……お前さ、昔から変わらないよな」

ふと、囁くようにそう言われたその声は、クールな彼にはちょっと似合わないくらいに凄く優しい。


「そうかな?」

「そうだよ。おっちょこちょいのうっかり屋で、騙されやすいところも昔のままだ」

「昔からそんな騙されやすかったっけ……」

「ああ。でもーーだから放っておけなくて、側に置いておきたくなる」


彼がそう言うのと同時に、車が赤信号前でキィ……と停車する。


そして、彼がゆっくりと私に振り返る。
車内は暗くて、彼の表情はよく見えないはずなのに、真剣な顔をして私を見つめていることがわかって、ドキンと胸が高鳴る。



そして。


「俺、お前のことがやっぱり好きみたいだ」

「え……?」

「今度は気持ちの伝え方を間違えない。誰よりも真っ直ぐにお前のことを愛するから、俺と付き合ってほしい」
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