おはようからおやすみを笑顔で。
「そうだよな。まだ気持ちの整理がついていない時に困らせるようなこと言ってごめん。返事はいつでもいいよ。ずっと待ってる」

言い終えるのと同時に、彼は私の頭から手を離し、青信号に変わったのを確認してから再び車を走らせる。


「ごめんね」

ぽつりと彼にそう謝ると、何故か小さく笑われた。なんで笑うの? と尋ねると彼は、


「俺は辛抱強いんだ。なんせ、十年以上もお前のこと好きだったんだからな。告白の返事くらい余裕で待てる」


さらりとそう答えるから、私の顔はまた熱くなる。
だけどそれと同時に、クールな彼がそんなことを言うのがどこか面白くもあって。私も思わず笑ってしまった。
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