おはようからおやすみを笑顔で。
「沙耶! 良かったー、ようやく帰ってきた!」

そう言って笑う姉の表情は、私がよく知るそれと変わらなくて安心はするけれど。


「ど、どうしたの⁉︎ 日本に来るのは明日じゃなかった⁉︎」

「予定が暇になったから、急遽今日来ちゃった。まあ、いきなり押しかけるのは悪いと思って、今日はホテルに泊まる予定だったんだけど……なんか手違いがあって、予約取れてなくてさ。泊めてもらいたいんだけどいいよね?」

「それはもちろんいいけど、連絡くれれば早く帰ってきたのに」

「携帯の電源切れちゃったんだもの」

そう答える姉は、ふと私の隣にいる斉野くんに視線を移す。


「もしかして、明日食事する予定の沙耶の彼氏⁉︎」

「えっ⁉︎」

驚いた声をあげたのは斉野くん……ではなく、私。
告白はされたけれど、彼氏ではない……。

ていうか! いろいろ起こりすぎて忘れていたけれど、明日姉に会わせる彼氏の件、なにも案が浮かんでいないー‼︎
< 39 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop