おはようからおやすみを笑顔で。
「初めまして! 沙耶の姉の加奈です! いつも妹がお世話になってますー! 明日お会いする予定だったのにこんな形でごめんなさいね!」
「ちょ、ちょっとお姉ちゃん! 斉野くんはーー」
「斉野くん⁉︎ もしかして、沙耶の同級生だった斉野 祐くん⁉︎ それならそうって前もって教えてよー!」
そういえば私が斉野くんに意地悪をされていた頃、姉によく相談していたっけ。だから姉も、妹にちょっかいを出していた存在として斉野くんの名前を覚えているのだろうけれど、それにしては姉が楽しそうなのは、彼が私に意地悪をしていたのは好きの裏返しだったことに当時から気づいていたのかもしれない。
って、今気にするべきはそこじゃなくて!
正直なところ、斉野くんに彼氏役を頼んでしまおうかと、この瞬間にちょっとだけ思った。
だけど、私にあんなにも真っ直ぐな告白をしてくれた斉野くんに、そんな失礼なことをしたくない。
リョウくんのことにも巻きこんでしまったし、これ以上迷惑をかけたくない。
だから、斉野くんは私の彼氏じゃないーーそう言おうと思ったその時。
「こんばんは。沙耶さんとお付き合いさせていただいてます、斉野 祐です」
……空気を読んでくれたのだろうか、斉野くん自ら姉にそう話してくれた。
「ちょ、ちょっとお姉ちゃん! 斉野くんはーー」
「斉野くん⁉︎ もしかして、沙耶の同級生だった斉野 祐くん⁉︎ それならそうって前もって教えてよー!」
そういえば私が斉野くんに意地悪をされていた頃、姉によく相談していたっけ。だから姉も、妹にちょっかいを出していた存在として斉野くんの名前を覚えているのだろうけれど、それにしては姉が楽しそうなのは、彼が私に意地悪をしていたのは好きの裏返しだったことに当時から気づいていたのかもしれない。
って、今気にするべきはそこじゃなくて!
正直なところ、斉野くんに彼氏役を頼んでしまおうかと、この瞬間にちょっとだけ思った。
だけど、私にあんなにも真っ直ぐな告白をしてくれた斉野くんに、そんな失礼なことをしたくない。
リョウくんのことにも巻きこんでしまったし、これ以上迷惑をかけたくない。
だから、斉野くんは私の彼氏じゃないーーそう言おうと思ったその時。
「こんばんは。沙耶さんとお付き合いさせていただいてます、斉野 祐です」
……空気を読んでくれたのだろうか、斉野くん自ら姉にそう話してくれた。