おはようからおやすみを笑顔で。
【あ、もしもし沙耶? 元気ー?】
電話越しに聞こえる姉の声は、相変わらず必要以上に大きめで耳が少しキンとなるけれど、元気でパワフルな姉を象徴としているようで、この声が私は好きだ。
元気? という質問には、正直NOと即答したいくらいに精神的にやられているけれど、心配を掛けたくなくて「元気元気!」と返した。
【そう? なら良かった。明後日の食事、楽しみにしてるからね】
姉のその言葉に、「食事?」と思わず首を傾げてしまう。
【ちょっと、忘れてるんじゃないでしょうね⁉︎ 沙耶が彼氏に会わせてくれるっていうから、わざわざ日本へ行くのよ⁉︎】
「あっ!」
しまった。一昨日まではしっかり覚えていたのに、昨日の事件のショックが大きすぎてすっかり忘れてしまっていた!
「お姉ちゃん。実は……」
彼氏と思っていた存在は実は彼氏ではなく、詐欺に遭いました……と、たった一人の血を分けた姉には正直に話そうと思ったのだけれど……
【なに⁉︎ まさか別れたとか言わないわよね⁉︎ こっちはあんたの彼氏に挨拶する為に、無理言って仕事休んでイギリスから日本へ向かうのよ⁉︎】
……と言われ、言葉に詰まる。
電話越しに聞こえる姉の声は、相変わらず必要以上に大きめで耳が少しキンとなるけれど、元気でパワフルな姉を象徴としているようで、この声が私は好きだ。
元気? という質問には、正直NOと即答したいくらいに精神的にやられているけれど、心配を掛けたくなくて「元気元気!」と返した。
【そう? なら良かった。明後日の食事、楽しみにしてるからね】
姉のその言葉に、「食事?」と思わず首を傾げてしまう。
【ちょっと、忘れてるんじゃないでしょうね⁉︎ 沙耶が彼氏に会わせてくれるっていうから、わざわざ日本へ行くのよ⁉︎】
「あっ!」
しまった。一昨日まではしっかり覚えていたのに、昨日の事件のショックが大きすぎてすっかり忘れてしまっていた!
「お姉ちゃん。実は……」
彼氏と思っていた存在は実は彼氏ではなく、詐欺に遭いました……と、たった一人の血を分けた姉には正直に話そうと思ったのだけれど……
【なに⁉︎ まさか別れたとか言わないわよね⁉︎ こっちはあんたの彼氏に挨拶する為に、無理言って仕事休んでイギリスから日本へ向かうのよ⁉︎】
……と言われ、言葉に詰まる。