戦乱恋譚
「大丈夫です、華さん。まだ、終わったわけではありません。」
「え…?」
伊織が、私を真っ直ぐ見つめて言葉を続けた。
「彼の霊力はまだ消えていない。今から、追えば、きっと会えます。一緒に折り神を探し出しましょう。」
前向きな伊織の言葉に、不安な気持ちが少し軽くなる。すると、千鶴と虎太くんも声を揃えて私に言った。
『…仕方ねぇな。ひねくれ者の仲間が増えるのは面倒だけど、姫さんのためなら探してやるよ。』
『ぼくも頑張ります!折り神同士の方が、気配を追いやすいですし!』
…こうして、私たちは各方面に散らばり、姿を隠してしまった“折り神”を探し出すことになったのです。
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「まずは、神城家に縁のある神社を巡ってみましょうか。」
伊織とともに町を歩く。着物を着て外に出るなんて、初めてだ。
屋敷の外の町並みは、やはり私のいた世界とは違っていた。活気のある店が軒を連ね、長屋のような建物が多い。品のある日本家屋に似た建物が並ぶその景色は、まるで映画村のようだ。
(ここが、伊織の住んでいる世界…)