神様には成れない。


たったこれだけで、気持ちを沈めてしまう。


「瀬戸ちゃーーん?電話終わり?」

「あ、うん。終わったよ。待たせちゃってごめんね」


声を掛けられてハッとする。気を使って話をしていた割に、意識が別の場所に行ってしまっていた。

逆に、彼女が居て良かったかもしれない。電話を切った後に思い悩んでいたのは安易に予想できる。

電話をしなかったとしても一人で思い悩んでしまう事も想像出来てしまうのだが。


「それで、莉子ちゃんどうしたの?」

「うん!ちょっと瀬戸ちゃんに聞きたい事あって。あのさ、瀬戸ちゃんって彼氏とかいたっけ?」


彼女は最近私と一緒の講義をサボりがちだったようで、数日振りに姿を見たのだが、何とも唐突な話題を振ってきたものだ。

パッと淵くんの顔が浮かんだけれど、私と彼は曖昧な関係であるが恋人と呼べはしないので首を横に振った。


「ううん。いないよ」

「そっか!なら瀬戸ちゃんの事紹介したい人が居るんだけど、どうかなぁ?」

「え、何で私?」


質問のその先の予想なんてしていなく、困惑してしまう。


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