神様には成れない。


「別の学部の人なんだけど、瀬戸ちゃんの話したら妙に興味持っちゃって」

「?私の話?」

「いやーー、私講義サボってばっかりだけど、瀬戸ちゃんのおかげで助かってるとか、駄目駄目な私の世話を焼いてくれるとか、嬉しくてついそんな話したんだよね」


知らない所で私の話をしていると聞かされるのは、妙にくすぐったい気もするけれど、そんなのは私がしたくてしている事だ。

それに、


「莉子ちゃんだっていつも美味しいケーキとか食べに連れて行ってくれるし……」


私だって毎回違うお店で毎回美味しいものが食べれて感謝しているくらいだ。


「それは、日頃のお礼も兼ねてるんだから当然だよ~~」


ニコニコと笑いながら「いつもありがとう」と口にする。

彼女は前髪を分け直し本題に戻る。


「とまあ、そんな具合で良い子で何より安心感のある優しい子なんだよって話をしたら興味持っちゃったみたいで、紹介できそうならするよーーって所まで今話が進んでるんだけど」


どうかな?と私に承諾を得たいようだった。

私はと言えばあまり話にピンとくるものがなく、何故だか他人事のように話を聞いてしまっていた。

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