神様には成れない。
莉子ちゃんはこう言った話題が好きだっただろうかと、現実逃避を図ってみるのだが
「同じ大学?カッコいい?」
きっとこの話題が好きなのだろうなと思わずにはいられないくらい、ぐいぐいと質問をしてくるので、逃避にすらならない。
機転を利かせて話題を逸らすのは私には少々難しい。
思わず目を泳がせてしまう。
「す、好きな人なんていないよーー」
「えぇ~~じゃあ何で紹介する事にそんなに悩むの?」
「いや、悩んでるとかそういうわけじゃないんだけど……」
どちらに返答しても、どちらかの話題に走ってしまうのは安易に予想出来る事だ。
見え見えの言い訳に、彼女は納得を示してはくれない。
「瀬戸ちゃん男女分け隔てなく誰とでも話すし、これが仮に女友達だったら二つ返事で会ってくれるでしょ?」
自らの推測をして、頷ける答えを探し始める。
「だから、男友達で且つ紹介なのに悩むのってそういうわけじゃないの?」
「そう言うわけでは……」
「――……分かった!昨日一緒にいた男の子だ!」
「へっ!?」