神様には成れない。
紹介される事に気が乗らない理由が淵くんなのは認めよう。
莉子ちゃんの友達に対しては悪い感情も、逆に良い感情も持っては居ないのだ。会う事だってできる筈だったのだ。
「ごめんね。折角いいように言ってくれてるみたいなのに」
「ううん。それは仕方のない事だからいいんだけど。でも、そんなに否定したって事は何か訳あり?」
「訳ありという程じゃないよ。ほんとに」
否定をしながらキュッと胸が締め付けられるような感覚に襲われる。
私はこの意味を分かってはいるのだ。分かってはいるけれど彼を想えば処理しきれない。
「ん~~、じゃあ、あんまりうまくいってない……とか?」
此方の微妙な変化を敏感に察したのか、心配そうに覗きこみ、おずおずと問い難そうにしながらも聞いてくる。
私がきちんと話さないだけで、彼女が気を使わなければいけない事など何もないのだ。
気にしなくていいと言う代わりに、ニッコリと笑って見せて答える。
「そんな事ないよ。この間も二人で植物園に行ったし」
普通に仲がいい方だと示したかっただけなのだが、それが余計に疑問を生んだのか首を傾げられた。
「こう言っちゃなんだけど、少なくとも嫌いな相手と二人で遊ばないんだし脈ありなんじゃないの?」
なのにどうしてそうも煮え切らないような態度なのかと言いたげだ。