神様には成れない。


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今日あった事を話して、彼に連絡先が書かれた紙を渡せば困ったように眉を下げた。


「なるほど、そう言う訳かー」


受け取ったメモ用紙を一瞥しただけで、テーブルの上に置く。


「瀬戸さんも知っての通り、この後の行動は変わらないわけだけど……」


と指すのは、連絡をしないという事実。

私が知る限り、彼はそのままゴミ箱に捨ててしまうのだ。

酷いとも取れるけれど、中途半端に連絡取る方がもっと悪いだろう。だってきっと、彼女は淵くんに対して恋愛対象としての好意を持っているはずなのだから。


「瀬戸さんはどうしてほしい?」

「……とは?」


もしもそれでも連絡を取ると言うのであれば些か困ってしまうのだが、彼自身は既に終結させているのて私から何も言うことはない。


「逆の立場なら、俺は瀬戸さんの事信じてるから特にどうとも思わないけど、女の子的には違うんじゃないの?」

「女の子的……?」

「この女の子に釘を刺しとけーとか、携帯確認させろーとか」

「……」


彼の言う〝女の子”は偏見でも入り混じっているのか、なんとも束縛が激しいイメージが強いらしい。

私が中々言い出せなかっただけに気を遣ってくれているのだろうか。それでもいつだって、人に対してフラットな彼が言うと可笑しく感じられて噴き出してしまう。


「ふふっ。そんなこと言わないよ。淵くん偏見酷いね」

「え〜〜?確かにこれは偏見だったけど、どこで瀬戸さん傷付けるか分かんないじゃん。慎重って言ってよ」


気に障ったかのような発言に混ぜられた私を気遣う言葉に嬉しくなってしまう。

ハッキリと告げられるとこうも違うのだ。


「じゃあさ、何でそんなに考え込んでたの?」

「何でってそれは……」


とても単純な事だ。


「や、ヤキモチ……かな」


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