神様には成れない。

10:君に心を渡したい。

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あれから数日経ち、今日はデートをする日だ。

まだ梅雨入り宣言も為されていなく、今日も快晴で暑いくらいの気温だが、時期が時期なだけに雨じゃなくて良かったとほっとする。

建物内の場所に行くとは言え、雨だとやはり行動一つとっても支障が出たりするもので、せっかく出掛けるのも台無しになってしまう。

私の家の最寄駅から40分弱の距離にある複合施設。

駅を降りればすぐ側にあるのだが場所が少しだけ遠い為に、友達と行く予定も一度反故になってから何となく流れてしまった事はそれが原因でもあるのだが、次に行く機会を見つけれるとは思いもしなかった。


「う、わぁぁ……！」


駅の改札を抜けて早々、目に映った光景に感嘆する。


「凄いね！ほら！観覧車が見えるよ！」


ショッピングモールを中心に、映画館や水族館等があると聞いていたその場所には目印のように観覧車があるのだ。

わざわざ言わなくても見えるものを指差して、視線を上に向ける。

カラフルに彩られたゴンドラはゆっくりと動いていた。

すごい。と呟き、回る観覧車を眺めながら複合施設に向かって歩き始める。


「瀬戸さん、子供みたいだね」

「！」


クスクスと笑われてから漸く気付く。はしゃぎ過ぎだ、と。


「大学でもそんな感じなの？……ああ、でも女の子ってこう、元気だよね」


彼は上手く言い表せれなかったのか、何となくの雰囲気で表現をする。

確かに友達間でもはしゃいでいただろうけれど、それは想像にすぎなくて実際はどうかなんて分からない。

でも、今ワクワクしている事だけは事実だ。


「瀬戸さんって、案外賑やかな所好き？」

「うん！目移りする程物があればワクワクしちゃう」


だから、素直に楽しもう。