神様には成れない。
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小さな足で必死で私たちを案内してくれたのだが、彼が聞いたのはお店の場所だ。公園の方に向かってはいたものの、彼女の両親は見つかるのか不安だ。
彼女の足取りに注意しつつ、時折周りを見ていれば見えてくるのはパステルカラーのワゴン車。
「あれだよ!!」
案内。という使命からか歩いている内に泣き止んだ彼女が、指さして私たちに教えてくれる。
良い具合に迷子である事から意識を反らせているようで、興奮気味に足が速められる。
今更の事に、こんな風に知らない人と打ち解けられるのは子供の利点だが、逆を言えば簡単に連れ出されてしまい危ういと気づく。
この子の親は探していないのだろうかと、ワゴンの前に立ち止まったのを機にキョロキョロと辺りを見渡す。
「わ~~。すっごい可愛いねぇ。君はどれが好きかな?」
「えっとねぇ……」
と悩む彼女がワゴン上のメニューが見えやすいするようにするためか、徐に彼がひょいと彼女を抱え上げる。
「あ、見て見て、お店の中もキラキラしてるね」
「ほんとだーー」
どうやらすっかり互いに打ち解けているようだ。
「!」
ふと、一人の男の子が此方に駆け寄ってくるのが見えた。