神様には成れない。
「ううん。入学した時から開けてたよ」
「あり?そうなんだ?そういや、髪アップにしてるのも見た事なかったから……あっ!分かった!彼氏に貰ったピアスだね!?」
鋭い閃きなのか、単に私を茶化したいだけだったのか。
どちらにせよ間違いなく的を得ていて、うっと息を飲む。
この手の話題の中心になる事など今までなかったために、少々気恥ずかしくもあるのだ。
それでも否定する事ではないのでコクコクと頷いて誤魔化しにミルクティーを飲む。
「いーなー。羨ましぃ」
尚もジィッと見ながらそんな事をぼやく。
「そういや、高校の時なんかはカップルでピアス開け合うの流行ってたな~~」
「えっ?そ、そんなの流行ってたの?」
私の地元では高校の規則もあって開けてるのなんて破っても平気な少数だけだ。
流石都会の高校生は違うな。なんて、ピアスを開け合う事を想像して震える。
「ペアアクセみたいなノリだよ。開けてるのなんて珍しくないしね」
という彼女は両耳とも開けていないようなのだが。
「私でも知らなかった瀬戸ちゃんの事よ~~っく見てるんだね~~すごい!」
「すごいって……」
「ねぇねぇねぇ、それで、ペアアクセみたいなノリなの??」
「え、いや、淵くんは……」