神様には成れない。
12:偽善者で在りたい。


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次の日は雲一つない快晴。と言う訳ではなく、薄い雲に覆われていた。

青い筈の空は見えない。夕方には晴れると天気予報で言っていたが、それもどうだろうか。

なんて、今は関係のない事だろう。

カラカラと乱雑に足音を立て、私は走っていた。

一緒に回れると踏んでいたのだが、予想よりも構内図を持っていてもキャンバス内で迷う見学者が多いらしく、案内に帆走していたのだ。

場違いな格好をしている私でも、首から在学生であるネームプレートを下げている為場所を聞かれ続けていた。

そんなこんなで、30分前に月乃ちゃんから連絡が来ていることに漸く気づいた為、入り口まで走っている次第だ。

急いで返信したものの、待たせてしまっていては申し訳が立たない。

走って走って漸く現在月乃ちゃんがいると言う図書館前まで来ることが出来た。

そうして、見渡せば彼女は暇をつぶすように携帯を見ながら図書館前の木の下のベンチに座っていた。


「ごっ、ごめんね!待たせちゃって!!」


慌てて声を上げれば緩慢な動作で私を見上げて目を丸くした。


「……もしかして、走ってきてくれたんですか?」

「え?うん」


息を整えるように大きく深呼吸を繰り返す。

そんな私を眺めて、ただただ不思議そうに呟く。


「何で、わざわざ走ってまで。そんな格好で」


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