神様には成れない。


「ほーーら、淵~~千花ちゃん鍵貸してくれっから帰るぞ~~。送ってってやるから」


佐伯くんもまたふざけた様子で声を掛けて立ち上がるように促す。のだが。


「いやいや、何でお前と帰らなきゃなんないの。それなら瀬戸さんと帰るし。ねぇ?」

「ねぇって私に言われても……」


刺々しく促された言葉を払い、私にへらっと笑いかける。

空のペットボトルが手元で遊ばれてベコベコと音を立てている。

話し方は何らいつも通りなのに何と言うか……


「あ~~……だーめだ。やーっぱ言動おかしいわ」


そう。それに尽きるのだ。


「な、何か変わった酔いかたしてるね……?」

「だろ~~?だから俺も酔ってるか酔ってないのか判断つかなかったんだよなぁ」


まさか本人に面と向かって言えるわけもなく、こそこそと佐伯くんと話をする。

個人的なイメージでは、酔っている人と言うのは陽気になったり気が大きくなったり呂律が回っていなかったりするのだが、それとは当てはまりにくく戸惑う。

強いて言うなら陽気になっていると言えるのかもしれないが。


「淵は淵でも男だからなぁ、この状態で俺は千花ちゃんに任せるのは反対だし、出来れば千花ちゃんにも連絡したくはなかったんだけど……」


唸ってまた困った表情を見せる。


「えっと、心配してくれててありがたいけど、ここまで来たら私送って行くよ」

「いや~~、う~~ん……」


こそこそと打ち合わせするように話すのだが佐伯くんは頷かない。


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