神様には成れない。


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外に出れば日差しが肌を焼くように暑かった。

けれど、都会と違ってそこまで不快感を感じないのはコンクリートが少なくて、草木が多いからなのだろうか。

行く宛もなくフラフラと歩いては立ち止まってみる。

ふと覗いた用水路には何かの稚魚がいて、水の流れに逆らって泳ぎ続けている。

進んでは戻って、戻っては進んでを繰り返していた。

その水の流れを見ていると、ゆったりとした時間の流れを感じる。

暫し流れを見つめてから、ゆるりとまた立ち上がって歩きはじめた。

歩いている人なんて少ないので気にせずに自分のペースで歩ける。

だけど舗装されていない道もあるので、時折ある石ころに足を取られる。


「田舎だなぁ……」


そう呟いて比べてしまうのは、今の生活だった。

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