神様には成れない。
「……」
もしかしたら、こんな事に気づかない方が良かったのかもしれない。
気付かずにまたあっちに帰って、元通りに生活すればよかったのかもしれない。
でも、それでは駄目だ。きっといつか関係を続けれなくなる。
ただただ、肯定する事が必ずしも正しい事ではなかったのだ。柄のないナイフで傷つけておきながら自分も傷つくから引き抜けない等とそんな馬鹿げた話はない。
それこそ同じように傷つきながらも間違いなら間違いだと言うべきだったのだ。
そんな簡単な事に気づけもしなかった。
「行かなきゃ……!」
やっと見つけた感情の行き場に向かって私は走り出した。