神様には成れない。
私の事を私以上に良く知ってくれているお母さんは、最初から見透かしていたのだ。
しかし、絶対に手を差し出したりはしないのだ。
それでも、助けてと言えばいつだって助けてくれる。そんな人で。
「違ったなら恥ずかしいけれど……自分で悩みを解決したのなら何も聞かないわ」
母でありながら、私の事を一人の人として見てくれるのだ。
そんな母を尊敬していて、そんな人になりたいとすら思っていた。私の言動はその母から来ている所もある。
その憧れだっていつしか真似事になっていたのだ。
お母さんはこう言っていたな、ならこうしよう。としていた事が、いつしか私を作り上げて、歪めてしまっていたのだ。
見えなかった事が漸く見え始めた。
「でも、お母さんとしてはホームシックになったとか学校辛いとか言ってほしいなぁ」
「へ?だっ、だって、お母さんそう言う弱音嫌うじゃない」
後悔の類を良しとしない事を知っている身としては、唐突な発言に動揺してしまう。