神様には成れない。
問いかけて首を傾げれば、京ちゃんはまた視線を私に戻す。
しかし、合ったはずの目は僅かに揺れて、また外れた。
暫し逡巡してから、意を決したように彼女は再び問う。
「……千花、あれ以来淵くんと会ってる?」
「えっと、今日まで会えてない。帰省するまでは連絡取ってたんだけど」
そう、と短く頷いて、また考えるように口元に手を当てる。
今一度考えるそぶりを見せて、ゆっくりと口にした。
「事情も知らない癖に口出しておきながら勝手だったけど、ちょっと聞いたの。あの女の子誰?って、千花は知ってた……のよね?だから、事情があるって言ってたのよね」
「うん。それは聞いてて」
「私にも簡単に答えてはくれたんだけど『あの子の事は何とかするから、その間瀬戸さんの事よろしくね』って意味の分からない事言ったの」
「え……?」
「でも、連絡とってるなら……気にする事、な、い……?千花?」
「ちょっと待って」
まるで何かがあるように私の事を頼んだと言う彼の言葉を聞いてすぐ、私は動き出していた。
京ちゃんの心配を笑い飛ばす事もしないままに、携帯の電源ボタンを押す。
今の今で携帯が復活出来る程の電力が供給されているとも思ってはいなかったが、数パーセントの充電で何とか起動してくれた。
焦るような気持ちで、携帯の画面のタップを続ける。
明確に何を焦っての行動なのかとは答えられないけれど、あまりいい予感がしない。これが杞憂だったらいいのだが。
「!!」