神様には成れない。


しかし、次いで佐伯くんは、話を切り上げるように一際明るい声を出した。


『と、まあ、そう言う感じだから、冷たいけど俺が千花ちゃんに協力できる事は無いってわけ』

「……」


あくまでも私にも言ったように首を突っ込む気はないようだった。

これ以上、佐伯くんから得られる情報はないだろう。

焦って佐伯くんに電話したけれど、繋がらないのは偶然で、一度頭を冷やして考え直すべきなのかもしれない。


「そっか。ありがとう」

『でも、もっかい言うけど千花ちゃんが首突っ込んでも良い事なんか一つもねぇんだから、淵から連絡来るまで待っといたほうがいいと思うぜ?』

「……」

『納得できないのも分かるけど、あの子は淵の言う事しか聴かない……いや、淵の言う事も聞かないからややこしい事になってんだろうけど。とにかくそんな感じらしいから、淵と連絡取ろうとするのはいいけど、元カノちゃんには近寄らない事』


分かった?と言われても、素直に頷けない。

かと言っても、現段階で淵くんがどのような状況下にいるかも分かっていない為、近づいて私がどうにかしようと思ってはいないので納得いかずともその忠告だけは受け取っておいた方がいいだろう。


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