神様には成れない。
分かりやすく例えて説明してくれるも、そうなってしまえばやはり
「見た目の可愛い子なら好意的に思えるんじゃないの?」
と、思うのだが、どうやら違うらしく横目で私を一瞥してクスクスと笑いを零す。
妙に楽しそうなのは何故なのだろう。
「残念な事に俺はねぇ、ここの花畑にある花もあっちの食虫植物も好きなんだよねぇ」
「う、んん?つまり?」
「見た目より中身だなんて言わないけど、中身より見た目とも言わない。俺にとって重きがないんだよね」
「??じゃあ、別にまず連絡取ってから考えてみてもいいのでは?」
「えぇ……だってそれは、単純に興味なんて湧かないし」
とすっぱりと切り捨ててしまう。
そうなってしまえばこの話に何の意味を持たなくなってしまう。最初から話は完結していたのだ。
興味が湧かない事柄に対して、少しだって心を動かさないらしい。
「酷い事を言いたくはないけど、瀬戸さんの事だって何とも思ってなかったくらいだもん」
それでも、完結していた話を進めたのは、他でもない淵くんだった。