神様には成れない。


此方が動揺してしまい、パンケーキの上に乗る苺をフォークで弄んで間を繋ぐ。

食べ物で遊ぶようなこんな行儀の悪い事を普段はしないけれど、この時ばかりはそうせざるを得なかった。

次いで意を決するようにフォークに苺を突き立てた。


「きっ、聞きたい事は……沢山あるけど……淵くんと最後に会ったのはいつ?」

「五日前だよ」


考える間も無く即答される。彼から連絡が来なくなっていた日と合わせれば、やはり彼女が関係していたのかと疑いの目を掛けてしまう。

このことに関しては返答のない相手に連絡をし続けるのにも無理がある為、此方も悪いと言う捉え方もできるのだが。

それでも仁菜ちゃんは続け様に言葉を放った。


「千花ちゃん、もしかしてナナくんと連絡取れなくて困ってる?」

「それは……そう、だけど」

「そうだよね。だって私がナナくんのスマホ持ってるもん」

「!?」


サラリと口にされた言葉に驚けば、彼女の手には確かに彼のスマホと思わしきものが握られていた。

どう言うことだと反射的に立ち上がれば、目の前にそのスマホは差し出された。


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