神様には成れない。


「……何とも思っていない事は何となくわかってはいたけど」

「あれ?俺そんなに分かりやすい?」

「ううん。すごく分かりにくい。だからこそ私は気にせずに淵くんに話しかけてたわけだし」

「そうそう。そもそも一緒に帰るようになったのも瀬戸さんのおかげだったね」


私がバイト帰りに声を掛けた事でも思いだしているのかまた遠くを見て、一度目を閉じた。

そうして徐に立ち上がり花畑の周りをゆっくり歩を進める。

私も遅れながら立ち上がり横に並び、目に色とりどりの花を映しながら歩き始めた。


「そもそも、淵くんが意外と淡白って思ったのは昨日今日の話だしね。普通にしてたら誰にでも優しくて愛想のいい人だよ。……連絡先をゴミ箱に捨てるのはちょっと怖いとは思ってたけど」

「はは……それは、ね」


返答に困るのだろうか曖昧に笑って返し、特にコメントも出してこない。

連絡先について私も責め立てるつもりもないので流す事にしよう。



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