神様には成れない。
しかし、それも少しの間の事で、この混雑してきている店内入口での押し問答、迷惑にならない筈がない。
「お客様、申し訳ありませんが他のお客様のご迷惑になりますので……」
「!すみません、こんな所で邪魔でしたよね。混んでるみたいですし、あの方と相席でも良いですか?」
「「え??」」
彼の思いがけない提案に私と莉子ちゃんは二人して声をあげる。
店員さんは彼の申し出に困惑しながらも私の席までやってきて、「お客様、相席でもよろしいですか?」と、問いかけてきた。
大丈夫、大丈夫じゃない。と、答えるよりも先に彼はツカツカと歩み寄ってきて間に割って入る。
「問題ないですよ。あの子とこの子友達なんで」
「はぁ……それでしたら。お席ご用意しますね」
「ありがとーございます」
そう言って無理矢理話を丸め込み、店員さんは椅子を二つ置いて行く。
丸いテーブルはさほど狭くはないものの、四人だと一杯一杯な感じもありつつ、混雑しているのと彼がいいと言ったのも相まって、無理に押し込んだ感じもあった。
食べ終わっているからと仁菜ちゃんのお皿は下げられたので、二人が何かを頼んだとしてもそのスペースはギリギリ確保出来ると言った所だろうか。