神様には成れない。

問いかけられた本人はパチパチと瞬きをし、首を横に傾げる。

心当たりは無い、と言いたげに。けれど木嶋くんの方は返答を聞くよりも先に、確信に変えていたようで、次いで彼女に言った。


「水無川さんは知らないだろうけど、同じ高校で三年の時二組だった木嶋だよ。木嶋翔平」

「……ごめんなさい」


分からないと首を振って、怯えるように一歩下がる。

話の内容からするに、同じ学校だったようだ。となると、連想してしまうのは淵くんとも同じだったという事で。

また世間の狭さを感じる。

もしかすると、会わないほうが良かったのかもしれない。と直感する。

だって、


「そういや、水無川さんも災難だったよなーー、淵と付き合って」

「っ！！」


そんな前の話を持ち出してくるのだから。