神様には成れない。


そうこうしている内に水族館に到着して居て、彼女は溜め込んだ熱を吐き出すように大きく息を吐き出した。

「あー暑かった」と言いながら、ガンガンに効いた冷房は嫌なのか、鞄に入れていたらしいカーディガンを肩に掛ける。


「ね、ね、ナナくんと水族館とかいった?」

「え、うん……」

「そっか、そっかぁ。楽しいよねぇ」


私を妬むような発言をして、淵くんとよりを戻したいような発言をしながらも、そんな事を聞く事に戸惑いを覚える。

普通ならそんな事聞きたくないのではないだろうか。私ならあまりいい気はしない。


「ナナくんちょっと子供みたいなところあるから、イルカのショーみて目キラキラさせてたの今でも覚えてるなぁ」


ほら、いい気など持てはしない。

私が言ったところは複合施設併設の水族館だった為にイルカのショーなどは無かったなどと、そんな嫉妬と妬み。


「……千花ちゃんといるナナくんってどんな感じ?」


でももしかすると彼女だって同じように感じているのかもしれない。


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