神様には成れない。


また不思議な気持ちに囚われる。

この二日で淵七斗と言う人間の中身を知る事が増えて、知りたくなって。

そしてこうして、私に対してどう思っていたか初めて知ることができた。

何度でも思うけれど、きっかけがなければ表面上しか見る事が出来なかっただろう。

昨日の事が大きなきっかけで、もしかするとあの日公園に寄り道した事もきっかけになったのかもしれない。

普通に寄り道しようと言っても彼の事だ。上手く断っていた可能性だって多いにある。

そう考えれば不思議だ。


「何だかんだで淵くんと仲良くなれたのってレアだね」

「ふっ、あはは!レアって!瀬戸さんって時々変なこと言うよね!」


思った事を口に出したに過ぎないのだが、盛大に笑われてしまう。

それでも不快な思いにならないのは、彼が楽しそうに笑ってくれたからだろうか。


「ほらほら、あっちも瀬戸さんの好きそうな花咲いてるよ」


早くいこうと言わんばかりに立ち上がって歩き出す。

私も微かに笑いを浮かべながらそれに続いたのだった。



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