神様には成れない。
「瀬戸……千花ちゃんは度胸あって興味あったんだけど、逆に京ちゃんはハッキリしてていいな~俺気のキツイ子好き~~何より淵も拒否されてるの、ざまあみろ」
ぎゃははと独特な笑いをあげて気に入ったと主張する。
対する京ちゃんは心の底から嫌悪感を示した表情を作り上げた。
「ほんっとこの人怖い無理。っていうか名前で呼ばないでくれるかな??来宮としか自己紹介してないじゃない。あと千花の事も気安く呼ばないで」
「京ちゃん心配しなくてもいいって。何も取って食おうってわけじゃないんだから」
「そもそも、アンタがしつこいからこうなったんじゃない。さっさと話し聞いてあげるから帰らせてよ」
男の人が苦手で口も悪くなってしまう彼女だが、根は優しい子なので半ば無理やりとは言え乗ってしまったことに対して無視はできないようだった。
律儀に話を聞こうとしている。
「そこのアンタが千花の知り合いじゃなかったら速攻逃げてたんだから感謝してよね」
そもそも、私が淵くんと知り合いのために彼女は彼女なりに私を気遣ってくれたらしい。
私も私でいつ、口論に発展するかもわからずに落ち着かなく、早い内に切り上げようと考えていたのだが、思いの外佐伯くんがおおらかな人間のようなので、あまり心配する事ではないように思えてきた。