神様には成れない。
晩御飯として料理を頼みつつ、無理矢理引っ張った理由について彼はこう言った。
「人間顔じゃないって可愛い女の子はみんな言うんだけどさー、皆この顔のいい方を引っ掛けようとしてるのわかるから俺悔しくて悔しくて」
「そうね、客観的に見てそこの顔とアンタと比べるとそりゃ見劣りするわ」
「だろ!?それは仕方ないし重々承知なんだけど、やっぱなー、顔で判断された印象は簡単には覆せないわけですよ」
「それは分かる。私だってアンタに顔で判断されたわけだし、ブスはどう足掻いてもブスで完結するもの」
先までの喧嘩腰の勢いはどこに行ってしまったのか、相変わらず言っていることは身も蓋もないにしろ会話のキャッチボールが成されていることに衝撃を覚える。
私が知る限りでは、京ちゃんと男の人は相性が悪くほぼ100%口論に発展するのだが、そうならないのは佐伯くんの性格のおかげなのだろうか。
「言っても京ちゃんは今日の合コンを考えると上位ランカーの見た目だし、ブスで完結したことないんじゃないの?」
ジッと京ちゃんの顔を見て言い放つと、言い放たれた本人はニッと唇に弧を描いた。