神様には成れない。
それだけで、もはや雰囲気が違って見えるのに
「せんか、って変わった名前だよね。どんな字書くの?」
「す、数字の千に、お花の花……」
「へぇぇ……可愛い名前だねぇ。俺も千花ちゃんって呼ぶようにしよーー。いい?」
「え、い、いいけど」
人懐っこく話しかけられていよいよ困惑してしまう。
会話内容だけ見れば、ここ最近の時と同じようにも思うのだが、そうならないのは口説こうとしている様を見せているからだろうか。
「千花ちゃん試しになんか会話して」
と、佐伯くんが横やりを入れてくる。もはや玩具にされているような気分だ。が。
「何かって何……!?」
こちらは、佐伯くんの温度差がありすぎて頭が働かなく、真面目に返してしまう。
「今日の子は淵の外見に真っ先に触れてた」
助言も相まって私は改めて淵くんの姿を見直した。
「えーっと、えと、あ、淵くん髪跳ねてる!」
「そうきたかー」
自分でも的外れな事は分かっていたが、ほかにどこに触れれば正解なのかわからなかったのだ。