神様には成れない。
「分かってるだろうけど、分かってないんだよ千花は。コイツから助けてくれようとした時も無防備だし。……私も頭に血が上りやすいから褒められた事じゃないけど」
「別に無防備なつもりもないんだけどなあ」
責めるように言われてしまえば、否定するしかないのだが、納得させるような言葉は出てこない。
「いやー、俺でも千花ちゃん心配。京ちゃんの言うとおり、しっかり自衛しないと何が起こるかわからねぇよ。押したらいけそうな、受け入れてくれそうな雰囲気出てる」
「まあでも、それが瀬戸さんだしいい所なんでしょ?ねぇ?」
「そう!そうなのよ!アンタ分かってるわね!」
と、そこで意気投合されても反応に困ってしまうのだが、どうやら私は自分で思っているよりもしっかりしていないらしい。
かと言ってどう振る舞えばいいかなんてものは、見つける事が出来ないのだが、無防備にはならないように気をつけた方がいいらしい。
「良い所だって言っても女の子なんだから、警戒くらいはした方がいいって」
「アンタって軽いのか軽くないのかよく分からないわね」
「そりゃあ、そう言う場にいる子にはそれなりの対応するけど、京ちゃんが言ったように今別に合コンでもないし、そもそも千花ちゃん純朴そうだから弁えてるんだよ」
「と、言っても佐伯くんが淵くんと私を使って、実演しなければこんな話にならなかったのでは……」
「それは否定しない」