神様には成れない。
04:シンデレラには成らない。
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解散の流れをとることになり、とりあえず私は放心状態の京ちゃんの手を取って歩き出していた。
「京ちゃん大丈夫?」
「本当に変な奴だった。野良犬に噛まれたとでも思って忘れよう」
と、早口に言葉を紡ぎ、げっそりとした表情で、それでもしっかりとした足取りで歩き出す。
ここから京ちゃんの家は近いので、早めに彼女も休める筈だ。気持ちだけ足を速めた。
淵くんも佐伯くんも送ってくれるとは言ったのだが、京ちゃんのキャパシティーがオーバーし、これ以上一緒にいることさえ辛そうであったため、申しわけないが断ることにした。
時間も時間な為に食い下がってはくれたのだが、住んでいる所を知られたくないとの意向で二人で帰ることになった。
非日常にいつ襲われるともしれないが、そう簡単に襲われることもまずない。
しかしながら、
「顔がいい方のアンタ。今から表通りにある広場で待ってて。千花を送ってほしいの。人畜無害な顔を信用するからね」
と私の帰りを心配してくれたのか半ば無理やりに言い捨ててきているのだ。
ありがたいことにあまり心配はいらないだろう。
佐伯くんと言えば「俺の方が信用ないんだなー」と笑いながらも手を振り帰っていった。
話を掘り返すにしても触れにくい話題なのだが、淵くんの話を踏まえての頼みなのかはわからなかった。けれど、少なくとも見知った者同士だからと言う判断が入っているのだろう。
何にせよ、京ちゃんの家もまた表通りに面しているので明るく、まだ車通りもあるのでそう心配せずとも彼のもとへと辿りつけるだろう。