神様には成れない。

此方としては気にしないし、佐伯くんもまた気を悪くした様子もなかったので、素直に受け入れてもいいとは思うのだが、京ちゃんの性格上そうもいかないのだろう。

それでも彼女は補足して続けた。


「と言うか、あいつ少し千花に似てるのかもしれない」

「……えっ」


予想だにしていなかった言葉だった。

思い返してもあの陽気な性格だ。何処がどう似ているのか分からない。

「う～ん？」と首を傾げると京ちゃんは慌てた様子でフォローを入れてきた。


「違うの違うの！あんな奴と千花は似ても似つかないの私が一番よくわかってるから！そうじゃなくて……何て言うか……ちょっと初めて千花が話掛けてくれた時の事思いだしたのよね」


過去に想いを馳せるように、段々と声が小さくなり黙り込む。

そんな姿を見ると今より視線を下げていた彼女の事が思いだされた。


「京ちゃん……」

「きっと気のせいよね！何でもない忘れて！」


私が何か声をかける前に、もう一つ大きな声で掻き消した。