神様には成れない。



彼がまたシャルロットを膝に乗せるとシャルロットもまた大人しく座っている。

気まぐれというより、猫にしては甘えん坊と言う印象を受けた。


「あ、って忘れてた?」

「だ、だって淵くんと話してると脱線するから」


けれど元を正せば、何故家に上がっているのかと言う話になるので責められた事ではない。


「あ~~わかるわかる。俺も瀬戸さんと喋ってるとついつい変な事言っちゃうもん」


思いがけず同意を得られたかと思えば徐にテーブルの上に置いていたウエットティッシュに手を伸ばした。


「はい。瀬戸さんもシャル触ったんだからちゃんと除菌してね。除菌除菌」

「うん」


返事をして手を拭きながらちょっとした違和感。

いつもは其処までテンションが高い低いとは感じないのに、今は妙にテンションが高い印象を受けるのだ。


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