モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
「えっ、羨ましいって……?」
どういう、意味?
首を傾げて2人を見れば、またまた〜!!とニヤニヤして私に詰め寄る。
「蒼井くんと付き合ってるんでしょ?
この学年の女子の中で……いや、校内一幸せ者なんじゃない?」
「そうそう!しかも、溺愛されてるんだって?霧雨さんにベタ惚れじゃん!!」
「…………」
やっぱり。
絶対誤解されてると思ってた。
そりゃあ、付き合ってもない男女がお姫様だっこしてたら、そう見えても仕方ないか……
そうだよね、私と蒼井が……
って、全然良くない!!
「あ、あの、私蒼井とは……」
「おーーーい!!そこ!!
話してないで、手伝って!!」
「ご、ごめんなさい!!」
「今行く!!」
否定しようとした言葉をあっさり遮られ、バタバタと走っていく女の子ふたり。
「莉世も、頼む……って、莉世?」
私の顔を見た途端、急に笑顔が消えて、ピシリと固まる蒼井。
「なに?私の顔に何かついてる?」
「い、いやっ……、なんでもねーよ」
後に続くように蒼井の傍に行った私はたぶん、めちゃめちゃ不機嫌だったと思う。