モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。

それから少しして、出すものが終わり、皆で休憩していると。


「蒼井くん。
ちょっと、いいかな?」


1人戻ってきた委員長さんが、にっこり笑顔で蒼井の名前を呼んだ。

おでこに、怒りのマークが見えるのは、ぜひ気のせいであってほしい。


「げっ、な、なんですか?」


音が付くくらいにっこりと笑った委員長さんと、狼狽える蒼井。


その様子はまるで、今にも食べられそうな小動物と、肉食動物のよう。


な、なんか恐ろしく禍々しいオーラ出してない?


蒼井……、なにやらかしたの?


同じクラスの実行委員として、次に続く言葉に私まで変に緊張するんだけど!?


「さっき出してもらったクラス名簿……あれ、何?」


「何、とは?」


クラス名簿って、体調が悪かった私のために、蒼井が1人で作ってくれたやつだよね?


一体それがどうし……


「字が適当すぎて、読めないんだけど!?」


「え、マジですか」


< 120 / 318 >

この作品をシェア

pagetop