モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。
うわぁ……
これ、完全にドン引きの顔だよ……
「莉世も、もっと俺のものって自覚を……」
「!!?」
うなじに唇を当てられ、その上耳元で囁くもんだから、思わず、
「ぐえっ!!」
「すいません、委員長!!
蒼井のこと、よろしくお願いします」
肘打ちをかまし、カエルを踏み潰したような声を出した蒼井から、そそくさと離れる。
ったく、今は委員会の最中なんだから!
それに、さっきから無言の委員長さんの顔……怖すぎて見れない。
「よーし、蒼井。
俺についてこい。まずはその、チャラチャラした態度から鍛え直してやる」
「はっ!?何言って……
ちょっ、莉世ーー!!?
俺から離れるなって!!」
「私は大丈夫だから、今はそっちに集中して!!」
ズルズルと引っ張っられていく蒼井に笑顔で手を振る私。
蒼井、頑張って。
あんなに恐ろしい委員長さん相手に、さすがに逆らえないわ……
背筋が凍るかと思ったくらいに。
そして校舎の方へと消えていった2人を見送ったあと、周りを見渡せば、もう同じ委員の人はいなかった。