モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。

慌てて莉世に駆け寄り、顔を覗き込めば、今は眠っているだけだった。


「莉世………」


急に崩れ落ちるように俯いたから、また体調でも悪くなったかと思った……


良かった………


ホッと安心して、その頬に手を伸ばそうとしたその時。


──────バシッ


ものすごい力で弾かれたその手。


「莉世に、触んないでくれる?」


「は?」


天野が鋭い目で、俺を見ていた。


……まるで、莉世は自分のものだと言わんばかりに。


「意味わかんねーんだけど。
なんでお前にそんなこと、言われなきゃいけないわけ?」


射抜くような視線を向けられ、俺の中でどんどんイライラが溜まっていく。


莉世を抱き上げているのも気に入らないし、


何より……

莉世に、まるで恋人のように接していたコイツが嫌いでしょうがない。


付き合っているわけでもないはずなのに、莉世を抱きしめたり、手を繋いだり。



コイツと、莉世の関係は、

一体なんなんだよ………


同級生?

幼なじみ?


それとも…………

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