モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。


「今日は莉世、休み……か」


昨日から、一夜明けた水曜日。


莉世のことを意識しだしたあの日のように、外は雨が降っている。


教室に入ってすぐ、莉世の姿を探したけれど、大好きなその姿は今日はない。


気を失うだなんて相当だし、余程体調悪かったのかもしれない。


莉世、大丈夫かな……


昨日のことがあったけど、顔を見るだけでもいいから、莉世に会いたい。


「和栗」


「ん?あ、蒼井くんっ!!?」


席に1人座って何かを書いていた和栗に声をかければ、ビクッとして慌ててノートを閉じた。


ん?

なんだ?


今、チラッと小説らしきものが……


「今のは、見なかったことにして!!」


大袈裟に両手を広げて、珍しく顔を真っ赤にさせてアワアワしている和栗に、


「お、おう……」


思わず頷いてしまったのは言うまでもない。

< 136 / 318 >

この作品をシェア

pagetop